世界の裏庭

読書、映画、創作、自然など

『その男、椎名』第1章-3 長編小説

『その男・椎名』第1章-3 † 背もたれから背中を離し、身を乗り出して椎名は尋ねた。 「花穂さんについての沢崎さんの印象は、最初のお話と変わりありませんか」 「どういう意味です?」 「良い思い出しかない、そういってましたが」 沢崎は一瞬考えてから微…

『その男、椎名』第1章-2 長編小説

『その男、椎名』第1章-2 † 沢崎が目を輝かせていった。 「そこには、昔の恋人というような存在も含まれるわけですよね」 「もちろんそうです。最近増えてきたストーカー事件なんかは、まさにその典型といえるでしょう。動機は愛情のもつれや金、嫉妬、プラ…

『その男、椎名』第1章-1 長編小説

(内容紹介) その男、椎名はある事件の真相へと近づくため、インタビュアーとして関係者から話を訊きだしてゆく。 相手に会うため、椎名は神奈川の葉山へ、京都へと出向く。相手に合わせていくつかの身分を騙りつつ、会話をとおして見え隠れしてくる事件の…

【見つけた図鑑◉野鳥】エナガ&オナガ

●名前がよく似た野鳥「エナガとオナガ」 今回は、見た目はあまり似ていないのに、名前がそっくりな野鳥2種を紹介(撮影した写真がそれぞれ1枚ずつしかないので)。 1枚目が、下の「エナガ」。 エナガ 体の大きさのわりに尾が長いから、この名前がついたとい…

【苔 in プランター】

●プランターの苔たち 梅雨の季節に入ったせいか、湿度の高い日がつづいている。われわれ人間にとってはあまり楽しくない気候ではあるものの、湿気が多くてよろこんでいる植物もいる。 そう、苔。ちょっと前までは、毎日のように茶色くなっては心配させられ、…

【おすすめ傑作選◉読書】 『山の上ホテル物語』 常盤新平著

●『山の上ホテル物語』 常盤新平著 山の上ホテル物語 (白水uブックス) 作者:常盤 新平 発売日: 2007/02/01 メディア: 単行本 今回は、小説でもエッセイでもない本を紹介してみたい。 この本はずいぶん以前に買っておいて、いわゆる積ん読の状態で山に埋もれ…

【おすすめ傑作選◉映画】『ビラボン・オデッセイ』

● 『ビラボン・オデッセイ』 監督/フィリップ・ボストン 出演/シェーン・ドリアン、レイン・ビーチリー他 ビラボン・オデッセイ [DVD] 発売日: 2005/10/26 メディア: DVD もうすぐ夏がやってくる! ……ということで思い出したのが、『ビラボン・オデッセイ』…

【見つけた図鑑◉野鳥】(哀愁の)サギ

哀愁ただよう姿で港を見つめるサギ。ゴイサギ?……種類は不明(撮影者J.M) ●どこか物哀しい夕暮れどきのサギ ある日、海へ釣りに行って、もちろんその日も釣れなかった。気軽な気持ちで海釣りをはじめてみたのはいいが、何回やっても、いろんな港や浜辺へ行…

【見つけた図鑑◉植物】 バイカモ

初夏のころに白い小さな花を咲かせる梅花藻 ●バイカモ 山のほうへいったときなどに、湧き水があったり、澄んだきれいな沢や小川があるところなどで、バイカモの白い花を見つけることが多い。そういうときは、つい嬉しくなってしまう。 バイカモの花が咲くの…

『 Poo-kun's trip』16 (End)

●16 Poo and Unko aim for their hometown. And... He and her began to trace the river, aiming for the upstream where they were born. It was literally dead. The first thing that appeared was the embankment downstream. For many years, they had…

『 Poo-kun's trip』15

●15 Poop, finally to the river of my hometown Punch-kun and Unko-chan swam hard. Off the Bering Sea, he was heading to the hometown of the sea in the north west of the Pacific Ocean. "Unko-chan, you've been swimming a lot, but are you tire…

『 Poo-kun's trip』14

●14 Poo, hometown and instinct It was a hot summer. Despite their usually weak appetite season, their appetite has increased for some reason. I ate so much about the plankton, which was terrifyingly full, and the myriad of big and small cr…

『 Poo-kun's trip』13

●13 Poop, become an adult The season goes around. We repeated the comings and goings of the Bering Sea, which can easily overtake the heat in the summer, and the Alaskan Sea, which is full of food in the winter, for several years. It was a…

『 Poo-kun's trip』12

●12 Poo, meet friends During the severe winter, the Bering Sea, which may freeze up, escaped to the eastern sea. The Alaskan Sea is an area close to the Arctic, but due to the ocean current, it is an area with many creatures that feed even…

『 Poo-kun's trip』11 

● 11 Unchi-kun encounters an attacker! The sea water is getting colder. The wind, which often came from the south, was getting stronger from the north and west. Water and wind that quivered the two men were telling us that winter was appro…

『 Poo-kun's trip』10

● 10 Poo-kun, confess the shock! One day. After the hiru's meal was over, he was finally enjoying a nap, and his back was poked hard. Unko-chan was a little embarrassed, squirming. "I have a story ..." "Yeah, what's wrong with you?" Unco-c…

『 Poo-kun's trip』 9 Poo-kun, the first love

● 9 Poo-kun, the first love "It was a lot of fun! I hope I can meet another person again.""Oh, right? I wasn't that bad though."Unko looked into Poop's face."Really? Wasn't it really fun? Isn't it?""Because I was a shy person since I was a…

【おとなげない童話・ん】●16 うんちくんとウンコちゃん、故郷をめざす。そして……(完結)

Photo by pixabay ●16 うんちくんとウンコちゃん、故郷をめざす。そして…… 彼と彼女は、自分が生まれた上流をめざして、川をさかのぼりはじめた。文字どおり決死のそじょうだった。 最初にあらわれたのは、下流にあるえん堤だった。もう何年もの間、季節の変…

【おすすめ傑作選◉読書】『火車』 宮部みゆき

●『火車』 宮部みゆき著 火車 作者:宮部 みゆき 発売日: 2019/08/16 メディア: Audible版 この小説について書くのは、なんというか、非常にむずかしい。最大の理由は「好きすぎる」ということだ。あまりに好きだから、客観的にすすめるのがむずかしくなる。…

【おとなげない童話・ん】●15 うんちくん、いよいよ故郷の川へ

Photo by pixabay ●15 うんちくん、いよいよ故郷の川へ うんちくんとウンコちゃんは、一生懸命泳いだ。ベーリング海をはなれ、太平洋の北がわにある海を、故郷へとむかっていた。 「ウンコちゃん、もうずいぶん泳いできたけど、つかれてない?」 「まだへい…

【おとなげない童話・ん】●14 うんちくん、故郷へかえれと本能がつげる

(Photo by Pixabay) ●14 うんちくん、故郷へかえれと本能がつげる 暑い夏だった。 ふつうなら食欲の落ちる季節にもかかわらず、なぜか彼らの食欲はましてきた。おそろしいほどふえたプランクトンや、それを食べるためにあつまってきた、大小無数の生き物た…

【おとなげない童話・ん】●13 うんちくん、〈うんちさん〉になる

(Photo by Pixabay) ●13 うんちくん、〈うんちさん〉になる 季節はめぐりゆく。 夏は、暑さをしのぎやすいベーリング海、冬はエサがたっぷりのアラスカ海、という行ったり来たりを何年かくり返した。 そろそろ夏がはじまる季節だった。はじめて海へ出てや…

【おすすめ傑作選◉読書】『もし僕らのことばがウィスキーであったなら』 村上春樹

● 『もし僕らのことばがウィスキーであったなら』 村上春樹 そろそろ夕暮れ。今日はエッセイというか、紀行文的な内容の本を紹介したいと思う。 アイラモルトの蒸留所が点在する、スコットランドのアイラ島を旅してのエッセイである。著者が小説家になる前、…

【見つけた図鑑◉野鳥】 オオバン

黒と白のモノトーンの全身がかっこいいオオバン(写真が下手で申し訳ない) ●オオバン これは、とある漁港(太平洋側)へいったときに撮った写真だ。しかし本音をいえば、目当てにしていたのはコクガン(黒雁)だった。 それほど野鳥に詳しいわけではないの…

【おとなげない童話・ん】 ●12 うんちくん、友だちと出会う

(Photo by Pixabay) ●12 うんちくん、友だちと出会う 厳冬期には結氷することもあるベーリング海を脱し、二人はさらに東の海へと進んでいた。 アラスカ海は北極に近い海域ではあるが、海流の関係で冬場でもエサとなる生き物が多いエリアである。 旅の途中…

【おとなげない童話・ん】●11 うんちくん、襲撃者に遭遇!

(Photo by Pixabay) ●11 うんちくん、襲撃者に遭遇! 海の水がさらに冷たくなってきた。 南から吹いてくることが多かった風も、北や西の方向から、少しずつ強くなっていた。2人を震えあがらせるような水と風は、冬がもうすぐそこまで近づいていることを告…

【おすすめ傑作選◉映画】 『小さな世界はワンダーランド』 by BBC EARTH

●『小さな世界はワンダーランド』 by BBC EARTH スケールの大きなネイチャー・ドキュメンタリーを、立て続けに公開してきた「BBC EARTH」ブランドによる、ごく小さな生き物たちを紹介するシリーズだ。全長10cm前後のネズミや、少し大きなシマリスなど、これ…

【おとなげない童話・ん】10 うんちくん、衝撃の告白をきく!

Photo by pixabay ●10 うんちくん、衝撃の告白をきく! ある日のこと。ひるの食事も終わって、うとうとと昼寝をたのしんでいると、背中をつんつんとつつかれた。 ウンコちゃんが、なぜか少し恥ずかしそうに、もじもじしながらいった。 「ちょっと、話がある…

【おとなげない童話・ん】●9 うんちくん、初めての恋ごころ

●9 うんちくん、初めての恋ごころ 「すっごく楽しかったね! また、ほかのだれかに会えるといいなあ」 「そ、そうかな? オレは、それほどでもなかったけど」 ウンコちゃんは、うんちくんの顔をのぞきこんだ。 「ほんとうに? ほんとに楽しくなかったの? ぜ…

『 Poo-kun's trip』8(英語バージョン)

(◉ブログ『おとなげない童話・ん』を翻訳ソフトで対訳にしてみました。お気楽な英語の学習教材にどうぞ笑) 『 Poo-kun's trip』8(英語バージョン) ● 8 Poo-kun, enjoy international exchange! "Hey, Unko, don't you feel like the water has cooled do…