世界の裏庭

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【どんぐりの木の復活】 どんぐりの木・ミズナラ

●虫喰いで全滅したミズナラの葉が復活!

 ちょっと、びっくりしたことがあった。

 今年の5〜6月にかけて、ミズナラの葉が、毛虫の猛攻撃によってほぼ絶滅した ↓

enpitsu1201.com

 

 ところが少し前から、虫に喰われた葉がついたその先っちょの細い枝先から、ぞくぞくと新芽が出てきて、あっという間に新緑の葉っぱだらけに! ↓

 

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一見、ただの新緑だが……

 

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葉の陰には、虫喰いでボロボロになった最初の葉っぱ

 

 自然のしくみには驚かされることが多いが、これもまさにその一つ。

 もう20年以上、このミズナラの木を育ててるが、一枚の残りもなく毛虫に喰い荒らされたのは、あまり記憶にない。これまでも自然のなすがままにしてきて大丈夫だったから、まあ枯れることはないだろうと毛虫を取ることもしなかった。

 

 驚いたのは、葉が全滅してから新緑が出てくるまでの「時間差」についてだ。

 たぶん、全滅からゆうに2週間以上はたっていると思う。今年は本当に毛虫が多い年で、最初の葉が出てきた頃はあちこちで見かけた。

 でもここ直近では、明らかに見かける毛虫の数が減ってる。ほとんどが羽化して蝶や蛾の成虫になったんだろうと思う。

 そして、まるでそれを知っていたかのように、新しい葉っぱが出てきた。だから写真からもわかるように、今年二度目のこの新緑は虫喰いの被害もほとんどなく、きれいなものだ。

 

 

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この季節にきれいな新緑

 つらいときは、自分を信じて耐える。そして機が熟したとみれば、能力のすべてを使って生き延びようと試みる。時季はまさに梅雨、木にとって最良の季節を待っていたかのようだ。

 自らは移動しないことを選んだ、植物という種の凄みを感じるのはこんなときだ。そしてその凄みとは、生命力の強さ以上に、賢さのほうである。

 自然の摂理といえばそれまでだが、こんな身近な自然を観察していても「センス・オブ・ワンダー」はあるものだと、あらためて再確認させられた出来事。

 

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ミズナラの根元の苔は、順調に生息範囲を拡大中