世界の裏庭

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◉秋の風物詩二選

●真っ赤っかの赤とんぼ

 ちょっと郊外に出かけたとき、車を停めて休憩していると、葉っぱに留まってる赤とんぼを発見。

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真っ赤っかのミヤマアカネ

 胴体だけが赤くて、目や鼻先(?)は茶色、という赤とんぼはよく見かける。たぶんそれは、アキアカネと呼ばれてる赤とんぼだと思う。

 でも、こんなふうに頭のてっぺんから尻尾の先まで、全身真っ赤っかの赤とんぼは久しぶりに見た。目や鼻、尻尾から羽の模様まですっかり赤色、というか名前からすれば茜色に染まった赤とんぼは、最近本当に見かけなくなった。

 この全身が赤いトンボは、どうもミヤマアカネという種類だと、調べてみて初めて知った。「日本で一番美しい赤トンボ」といわれることもあるようだ。

 

 ↓ で、こっちはマガン。ちょっと前に飛来を告げるニュースは見ていたが、実際に見るのは初めてだったので、写真に。

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こっちを警戒しているマガン

 

 親なのかリーダーなのかわからないが、稲刈りがすんだばかりの田んぼで、一心に落ち穂をついばむ群れのなかで、2羽だけ頭をあげて周囲を警戒している。1羽はこっちを見ている。鳴き声も含め、すごく愛らしい野鳥。

 白鳥やカモの仲間と違って、マガンは特に野性味が強いとされる。民家や道路、そして人から、最低でも30〜50mは離れた場所でしか採餌しない。

 人になつかないその性質が、逆に人の心の機微に触れるんじゃないかと、個人的には感じる。「月に雁」「落雁」「カリガネ」等々、古来から日本の文化や風景と深く関わって愛されてきた鳥なのだ。

 餌付けされる白鳥やカモも嫌いじゃないけど、やっぱりマガンはいいなあと、秋が来るたびに思う。

 写真を撮るときも、こっちを見てるような場合は、さっさと撮ってすぐに現場を離脱、というのを心がけるようにしている。

 今年も朝に夕に、マガンたちの鳴き声が聞ける季節がやってきた。