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【見つけた図鑑◉昆虫】モノサシトンボ

 

モノサシトンボ 

 ほんの数日前、きれいなイトトンボが撮れたので紹介したい。

 前に、エゾルリイトトンボ(推定)というトンボを紹介したことがあるのだが、そのまったくおなじ池で、けっこう似てるけど、けっこう違うイトトンボを見つけたのだった。

 連日の猛暑のなか、少しは涼を感じていただければ、と……

 

 調べてみたら、エゾルリイトトンボは意外と珍しいらしいが、このモノサシトンボは案外どこでも見られるそうである。

 子どもの頃の昆虫捕りでは、オニヤンマやシオカラトンボ、赤とんぼなどに夢中で、どこかひ弱な(失礼)印象のイトトンボにはあまり興味がなかった。オニヤンマを捕まえて、わざと自分の指をかじらせてみると、予想をはるかに超えて痛かったのをはっきり覚えてる笑

 うろ覚えだが、イトトンボは「神さまトンボ」と呼ばれていて、虫取り網で捕まえるのがためらわれたという背景もあったかもしれない。

 で、モノサシトンボ……

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モノサシトンボ。この後、前足で自分の目を拭いていた笑

 モノサシトンボの名前を知ったうえで、ちゃんとみて見ると、確かにかなり一定の間隔で、黒いしっぽに水色の細い線が引かれているのがわかる。

 

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こちらはモノサシトンボ……つぶらな瞳がかわいい

 

エゾルリイトトンボ

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こちらはエゾルリイトトンボ(……だと思う)

 

 1、2枚目の写真と、3枚目を比べて見てもらうと違いがわかってもらえると思う。

 モノサシトンボのほうは、しっぽの黒い部分が多い。一方のエゾルリイトトンボは、しっぽの青い(というか、光を反射する瑠璃色)部分が多い。つまり、黒と青の比率が逆だ。

 そしてモノサシトンボの青は、水色という感じ。エゾルリイトトンボの青は、まさに輝くルリ色という違いもあった。

 だからどうだ、ということじゃない。つくづく自然は面白く、奥深くて、興味が尽きないなあと思わされるばかりである。

 

 ちなみに、最初に池と書いたがこの場所はそれなりに山の奥なので、街の中にあるような池とはまるで違う。池に流れ込んでいるのは湧き水だが、ふつうに飲み水として供されているほどきれいな水だ。撮影時もその場で飲んで喉をうるおし、汲んで持ち帰った。

 また、これも以前紹介したんだけど、その湧水口から池に注ぎ込むまでの水路は数百メートルあって、そこにバイカモがびっしりと生息している。残念ながら、今回は開花の旬が終わっていたから撮影しなかったが、そういう場所にいたトンボである。

 栄養豊富で澄みきった水という自然環境が、こんな美しい色の生き物たちを育んでいるのかもしれない。

 

 

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