●ヤマガラ
とある親水公園で出会ったヤマガラだ。
それほど珍しい野鳥ではないはずなんだけど、なぜかこれまで写真に収めることができなかった鳥だ。日射しがほとんどない曇りの日だったから、あまりきれいな写真に撮れてはいないが、何しろ初めてのヤマガラだったのでうれしかった。
山雀という漢字からもわかるように、大きさはスズメと同じくらいで小さいが、その色合いと模様が目立つから、枝に留まっていたりするとすぐにわかる。
このときもそうだったが、やはりスズメと同じように、群れで木から木へと飛び移っていた。しきりに枝をつついていたが、木の実か何かを食べているようだった。
エサとしては虫も食べるようだが、木の実を好んで食べ、秋になると冬にそなえて木の皮のすきまなどに蓄える習性がある、というから面白い。そうして残しておいたエサは、食べ物にとぼしい冬の間の食料としてというだけでなく、翌年に生まれるひなに食べさせるエサとしても利用するという。
これは鳥にかぎらないことだと思うけど、野生の生き物たちというのは本当に「食べる」ことに一生懸命だというのがわかる。それこそ日がな一日、食べ物を探し、食べることに費やしているのではないかとさえ思えてくる。
食べることは、自分が生きのびるというためだけでなくて、もちろん子孫を残すためのいとなみのベースでもある。自分の遺伝子を次の世代へとつなげていくなんて、まさか鳥たちはそんな面倒くさいことを考えてはいないはずで、本能のおもむくままに生きているだけだと思うのだが。
ちょうどいまの時期は、鳥たちの子どもが巣立ちをはじめる時期なのか、道路でよく子雀の群れを見かける。郊外を車で走っていると、道端の草むらの中にいた群れが、車に驚いて急に飛び立つのだ。
それはいいのだけど、かなりの高確率で道路側に飛び出してくるのは、いったいどうしてなんだろうとよく思う。走っていると、左側は田んぼだらけだというのにわざわざ車道側に、しかもいっせいに群れで飛んでくるから危なくてしかたない。
車にぶつからないようにハンドルを切ることがよくあって、こっちが事故ってしまわないように気をつけないといけない。まあ、こうやって子どもたちは危険なことを知っていくのだろう。
ちなみに、仲間のシジュウカラはよく見かける。全身が白と黒だけの、シンプルな色合いの鳥だ。こちらもよく群れで、木から木へと移動している。野鳥を見ていると心がなごむ。
〈ヤマガラ〉山雀 スズメ目 シジュウカラ科 約14cm
・鳴き声は「ツーツーピー」。地鳴きは「ニィーニィー」
・頭と顔が白と黒のツートン模様になっているのでよく目立つ
・羽根は灰青色と茶色、胸の部分は茶色
・全国に留鳥として分布する