世界の裏庭

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【見つけた図鑑◉野鳥】コゲラ

コゲラ

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体を逆さにして、夢中になって木の幹をつついているコゲラ

キツツキで最小のコゲラとドラミング

 偶然見つけたコゲラだったけど、こちらの姿にはまったく気づいていないかのようだった。私との距離は、ほんの4〜5mしかなかったと思う。一生懸命というか、一心不乱という表現がぴったりの必死さで、地面に転がっていた木の幹の表面をつついていた。

 キツツキの仲間が木をつつく音は、ドラミングと呼ばれる。コゲラという鳥はキツツキの仲間で一番小さい種類だが、小さいくせにけっこう大きな音を響かせながら幹のまわりを移動していた。

 特徴のひとつが、幹の周囲をらせん状にクルクルと回ることだ。これまでに他のキツツキ(アカゲラとか)も見たことがあるが、みんな同じようにらせん状に回転しながらえさを探してつついていた。

 

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こちらは幹の上に、普通に(?)留まっているコゲラ

 

クマゲラを目撃!…でも証拠写真なし

 そういえば、キツツキにまつわる思い出を紹介してみたい。はっきりいって、これは目撃自慢です。でも、アップできる証拠写真がないのが残念だけど……

 じつは私は、クマゲラを2度目撃している。しかも本州でだ。野鳥好きの方には驚いてもらえると思うが、本州産クマゲラはずいぶん前に絶滅したとされている(最近また復活したのでは、との説もあるようだが)。

 最初は秋田県の、山奥にある温泉旅館に泊まったときのこと。旅館の前が広い駐車場になっているのだが、そのまん中に赤松の大木があった。朝食後にブラブラしていると、その木の上のほうに黒い大きな鳥が飛んできた。

 最初はカラスだと思って気にもとめなかったのだけど、そのカラスが突然、木をつつきはじめたからびっくりした。ゴッゴッゴッ、というようなかなり大きな音がして、同時にたくさんの木くずが、バラバラバラと地面に落ちた。

クマゲラは真っ黒で頭が赤く、大きなドラミング音

 その時点で、(黒くて、大きくて、木をつつく……もしや、クマゲラ?)と胸が高鳴った。当時、鳥にはさほど詳しくはなかったのだが、知り合いに鳥好きの人がいたおかげで、本州ではほぼ絶滅したといわれている、非常に珍しい鳥としてクマゲラの存在は知っていた。

 その大きな黒い鳥は場所を移動しながら、どんどんつついていた。呆然として眺めていたそのとき、建物裏手から誰かが歩いてきた。ハッとしたときには、すでに遅し−−。

 人の姿を見たクマゲラは、次の瞬間、飛び去っていった。鳴き声は「キョーンキョーン(ケーンケーンにも近い)という感じで、かなり大きかった。のちに野鳥や自然全般に造詣の深い人に、目撃した一部始終を話したところ、クマゲラに間違いないだろうとお墨付きをもらったのである。

 もちろん写真は撮れなかったし、今後撮れる可能性もほぼないと思うので、エピソードだけでも残しておこうと考えたので、ここに記しておこうと思った次第だ。

 2度目の目撃は、とある奥深い森の川原をぶらぶらしていたとき、対岸の木にカラスのような黒い……以下同文(笑)。このときは以前よりも少し距離があったものの、つついているときに頭のてっぺんにある赤い帽子が見えたから、クマゲラに間違いないと思っている。

 カメラを持っていなかったのがくれぐれも惜しまれる体験だ。

 

〈コゲラとは?〉

・小啄木鳥 キツツキ目キツツキ科 約15cm

・鳴き声は「ギィー、ギィー」

・羽根は黒と白のまだら(しま?)模様

・全国に留鳥としている

 

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