世界の裏庭

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◉消えたカワセミ

●カワセミを見なくなって考えた

去年の夏、初めて見たカワセミ

 去年の夏頃に、いつもの野鳥観察ポイントで初めてカワセミを見かけてから、ずいぶん足しげくそこへ通った(いまも)。

 初めて写真に撮れたのが、以下。7月24日に公開してるから、たぶんその日か前日あたりに撮影できたんだと思う。それ以前から、川だし広いプールがあるし、木もせり出してるし、カワセミがいてもおかしくないんだけどな、とは思っていた。

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 ただその場所は、駐車場と短い遊歩道があるから、カメラをもって車を置いて、ぶらっと川沿いを散歩してみて、その間に見かけた鳥を撮るという感じだった。時間があった日に、小さな建物の階段に腰かけてボーッと川を眺めていたとき、本当にカワセミが飛んできてびっくりした。

最後のカワセミ動画から、はや3ヵ月……

 そして(たぶん)去年最後に撮れたのが、下の記事だ。

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 これ以降も、現在にいたるまで結構な頻度で通っている。しかし、その後カワセミ(もちろんヤマセミも)を、その場所で一度も見ていない。そのうち秋が終わり、冬になって、林の木々もすっかり葉を落とし、すっかり見通せるようになった。鳥は見やすくなったが、カワセミもヤマセミも見られない。

 で、ふと思いついたことがある。

 もしやカワセミたち(最低でも2匹はいた)は、どこか別の場所へ移っていったんじゃないだろうか? たとえれば「サマーハウス」と「ウィンターハウス」。なぜこんなことを考えたかというと、カワセミが登場するときにはあるパターンがあったから。

 まず対岸の崖のまん中あたりから、「フィー!」とも「ピー!」ともつかない高音の鳴き声が聞こえてくる。でも、びっしりと茂った葉っぱのおかげで巣穴がどこにあるのかはまるで見えない。何となくだが聞き分けができるようになってきたから、お? と気持ちとカメラの準備をして、登場するのを待つ。

 すると数分後ぐらいに、水面のうえ数十センチを一直線に飛ぶ、キラキラ輝くひすい色の小さな鳥が現れる、というパターンだ。必ずしもそうじゃないが、そういう例が多かった。ところが鳴き声そのものを聞かなくなってしまった。

「サマーハウス」と「ウィンターハウス」?

 すっかり真冬になってぼんやりと対岸の林を眺めていたとき、ふと思った。(これだと巣穴が外から丸見え……)。もしかすると、猛禽類などの天敵に狙われないように、冬の期間だけ少し安全な場所に移動するのかもしれない、と。

 自分はど素人なので、移動のようすを追う能力もないから真相は不明なままだ。でも人間でもそうする人たちがいるように、鳥も季節に合わせて、サマーハウスとウィンターハウスを行き来してるかもしれない。

 そもそも鳥の「渡り」がそうだから、それを小さなスケールで行う野鳥がいたってちっともおかしくはない。こんなことをあれこれ想像してると、さらに鳥たちに愛着がわいてくる。

カワセミ

カワセミ

  • メディア: おもちゃ&ホビー