●『火車』 宮部みゆき著 好きすぎるがゆえの紹介の難しさ はじまりは、事故でリハビリ中の刑事に持ち込まれる奇妙な依頼 徐々に増す緊張感のなかで描かれる、心温まる人間模様 比類がないほど、せつなく美しいラストシーン 火車 作者:宮部 みゆき 発売日: 20…
Photo by pixabay ●15 うんちくん、いよいよ故郷の川へ うんちくんとウンコちゃんは、一生懸命泳いだ。ベーリング海をはなれ、太平洋の北がわにある海を、故郷へとむかっていた。 「ウンコちゃん、もうずいぶん泳いできたけど、つかれてない?」 「まだへい…
● 『もし僕らのことばがウィスキーであったなら』 村上春樹 そろそろ夕暮れ。今日はエッセイというか、紀行文的な内容の本を紹介したいと思う。 アイラモルトの蒸留所が点在する、スコットランドのアイラ島を旅してのエッセイである。著者が小説家になる前、…
黒と白のモノトーンの全身がかっこいいオオバン(写真が下手で申し訳ない) ●オオバン これは、とある漁港(太平洋側)へいったときに撮った写真だ。しかし本音をいえば、目当てにしていたのはコクガン(黒雁)だった。 それほど野鳥に詳しいわけではないの…
●『小さな世界はワンダーランド』 by BBC EARTH スケールの大きなネイチャー・ドキュメンタリーを、立て続けに公開してきた「BBC EARTH」ブランドによる、ごく小さな生き物たちを紹介するシリーズだ。全長10cm前後のネズミや、少し大きなシマリスなど、これ…
Photo by pixabay ●10 うんちくん、衝撃の告白をきく! ある日のこと。ひるの食事も終わって、うとうとと昼寝をたのしんでいると、背中をつんつんとつつかれた。 ウンコちゃんが、なぜか少し恥ずかしそうに、もじもじしながらいった。 「ちょっと、話がある…
●『神の子どもたちはみな踊る』 村上春樹 久しぶりに『レキシントンの幽霊』以来、村上春樹の小説を読んだけど、いやー、傑作、名作ぞろいの全6篇だった。 基本的に読者がストーリーを追いかけていく物語文学でありながら、ほんの短い一篇を読んだごとに本…