ある日、運転中に目の前にあらわれた「ザトウクジラの雲」
空耳ならぬ、空見えの一枚!
偶然見つけた雲だったが、あまりに泳いでいるクジラにそっくりだったので驚いた。
よく晴れた日だったから、空はさながら青い大海原のよう。まわりには、ほかにほとんど雲はなかったのに、これだけがぽっかりと浮かんでいて、まるでブリーチングしようとしているクジラ! 周囲に車がいないことを確認し、車を停車させてから、いそいでおりて撮った一枚だ。
ご存知の方もいると思うが、ブリーチングとはクジラが海面から体を出してジャンプすることである。この行動は、特にザトウクジラが有名だ。
なぜそんなことをするのか、理由はいろいろと推測されているらしい。体表についた寄生虫を海面にぶつけて落とすため、子どもを天敵から守ろうとして威嚇するため、遠くの仲間とコミュニケーションをとるため等々、さまざまな説があるようだ。
ただ、このへんが個人的には非常に面白いと思っているところなんだけど、どこまでいっても明確な理由はわからない、ということだ。あたりまえといえばあたりまえで、野生動物に理由を尋ねてみるわけにはいかないし、バイオロギング(生物に直接発信器を装着する調査手法)で長時間データをとって観察できたからといって、彼ら彼女らの行動の根っこにある「なぜ?」は知りようがない(バイオロギングを発明・実行している研究者の方は個人的にとても尊敬している。念のため)。
動物学者の人たちも結局のところ、想像したり推測したりするしかないわけで、そこも個人的に興味深いと感じるゆえんでもある。クジラやイルカの仲間はすごく賢いことが知られているし、知的好奇心も旺盛らしいから、もしかすれば、たんに遊び戯れてるだけだったりして−−。
千変万化の雲を何かに見立ててみる。童心にかえって
私はちょっと疲れているときや、逆に、時間に余裕ができたときなどたまに空を見上げる。子どもがよく、雲を生き物や何かのものに見立てたりするけど、私はふだんはあまりそういうことはしないたちだ。
雲というのは本当に千変万化で、ときに「あるもの」にしか見えないほど、そっくりの形をとることがある。そういうときにカメラがそばにあれば、さすがに撮って残しておきたいという気分になる。
車のなかには、いつもコンパクトデジカメが入れてある。おもに鳥や生き物、植物を撮るためだけど、これもその中の1枚。写真を撮るのはしろうとだけど、いまのカメラは安価なものでもそこそこ性能が良く、解像度なども高いからそれなりに写ってくれるのでありがたい。
使っているのはオリンパス社製の、スタイラスというコンパクトデジカメ。光学式24倍ズームで、遠い場所からでも対象物がちょっとだけ拡大して撮れる。風景や野鳥を撮ったりするのにとても重宝している。
数年前、必要に迫られてこのカメラを買うまでは、もっぱら携帯電話のカメラ機能を使っていた。で、山や海へいったときなんかに、珍しい気象現象を見つけることがあって、それを撮ったりしていたのだが、残念ながらそれらの画像をPCにうつす方法がわからない。
古い携帯のためPCとの互換性がないらしいので、残念ながら携帯画面で見るだけだ。 惜しい。
ザトウクジラとは
「ザトウクジラ」 座頭鯨
・ ヒゲクジラの一種で、全長は15m前後
・胸ビレが非常に長いのが特徴
・体は背中の面が黒く、腹の面は白い
・極地の海から熱帯の海まで広く棲息する
・体型が座頭の使った琵琶に似ているところからついた名
……以上、蛇足。