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【おすすめ傑作選◉映画】『メキシカン・スーツケース〈ロバート・キャパ〉とスペイン内戦の真実』

●『メキシカン・スーツケース』

歴史的写真家・ロバート・キャパのネガ発見のドキュメンタリー

 今回は、ややマニアックな映画を紹介したい。 興味のない人にはまるで面白くない映画かもしれないが、まずは紹介してみる。

 2007年、メキシコで発見された3つの箱。その中には、第二次世界大戦の混乱で行方がわからなくなっていた、歴史的な写真家ロバート・キャパが撮影した膨大なネガフィルムが入っていた。

 実に70年も行方不明だったその箱は、「メキシカン・スーツケース」と名づけられた。

「スペイン内戦」でのキャパ、恋人タロー、シムの人間模様

 スペイン内戦の現場、「そこで何が起こっているか」を世界に伝えるため、戦争の前線で撮影をはじめたのだったが−−。

 「マグナム」という、すごく有名な協同写真通信社を創設した一人がキャパだ。今回これを書くにあたって調べていて初めて、H・カルティエ・ブレッソンもマグナムに関わっていた事実を知った。

 さらにマグナムという名称も、戦場カメラマンだから拳銃のマグナム、と勝手に思い込んでいた。事実は、ワインのマグナムボトルを飲んでいたことにちなんでるそう。どちらも好きな写真家なのに、なんて自分はうかつなのか……

 まるでミステリーを読んでいるようなワクワク感で、知らなかった歴史(の陰)を知ることができるはず。スペイン内戦で撮った写真が、なぜメキシコで見つかったのか、そこにも興味深いエピソードが隠されている。

 もし機会があれば、ぜひ観てほしい。

 

 そういえば、こちらも写真にまつわる『ヴィヴィアン・マイヤーを探して』という、非常に面白くて不可思議なドキュメンタリー映画があったな。こっちもいつか紹介したい。忘れなかったら笑