●名前がよく似た野鳥「エナガとオナガ」
今回は、見た目はあまり似ていないのに、名前がそっくりな野鳥2種を紹介(撮影した写真がそれぞれ1枚ずつしかないので)。
エナガ
1枚目が、下の「エナガ」。
体の大きさのわりに尾が長いから、この名前がついたという解説が野鳥図鑑にはのっている。たしかに、胴体と尾の長さはほとんど同じぐらいに見えるが、そもそも小さな鳥なので尾が長いという印象は受けない。
それよりも第一印象は、ヘンな顔の鳥、という感じがする。なんというのか、小柄なのに、眉毛がやたらと太い頑固なオヤジ……そんな顔つきに、個人的には思える。
案外器用らしく、ホバリング(羽ばたきながら空中に静止する)しながら昆虫を捕食したりもできるという。
オナガ
で、遠目からでも明らかに尾の長さが際立って見えるのが、次のオナガである。
この写真ではちょっとわかりにくいかもしれないが、こちらはやや全体のサイズが大きくて、そのぶん尾の長さもすごく長く見える。黒塗りされた顔、真っ白な胴体、青色がかった灰色の羽と、色調としては結構美しい。
しかしその見かけとは裏腹に、鳴き声があまりきれいではないのが残念な鳥だ(失礼)。というのも、カラス科に属しているから。ただし鳴き声としては、まだカラスのほうが澄んでいるかもしれない。
〈エナガ〉 柄長 スズメ目 エナガ科
・全長14cm前後
・低山帯の林にすみ、林の中を群れで移動する
・九州以北に留鳥として分布。北海道には別種のシマエナガがいる
・つがいの他に、ヘルパーという子育てを助ける個体がいることが知られる
・エサは昆虫やクモで、樹液も吸う
〈オナガ〉 尾長 スズメ目 カラス科
・全長約35cm
・黒い頭と、背と長い尾羽は美しい水色
・関東、甲信越、東北地方に分布
・鳴き声は「グェーイ、グェーイ」
・世界的にはポルトガルとアジア東部に分布。ユーラシア大陸の東西に分かれてすむふしぎな鳥