●アカミゴケ(地衣植物)
アカミゴケ……たぶん
見つけたときは、これはいったい何ものだろう? という言葉しか浮かばなかった。あまりに珍しくて初めて見たものだったため、とりあえず 公開してみたものの、その後気になって調べてみた。
ある程度の知識がある人であれば、これは●●の仲間だろうかとアタリがつくのかもしれないが、自分の場合、植物関係にはとんと疎い。この写真を逆引き辞典のように調べられればいいのだが、そんな都合のいいものはないだろう。
いろいろなサイトで調べてみた結果、どうやらアカミゴケという地衣類ではないかということがわかった。コケという名前はついているが、いわゆる苔の近縁ではないようだ。
ただ専門的には、見た目だけからアカミゴケと断定するのはむずかしいらしく、だからアカミゴケとしたのもあくまで暫定的なものである。研究者などの間でも正確に同定しようとすれば、遺伝子を調べてみるなど高度な技術や知識が必要になってくるそうだ。自分のようなしろうとには、とうてい無理な話である。
温泉街にある神社の境内で発見
というわけで、見つけたときの状況だけお伝えしたい。
とある温泉街のなかにある神社の境内を歩いていたとき、苔をたっぷりかぶった大きなキノコのような灯籠が目に入った。最近は少し苔に興味があるので、何気なしに近よってみた。
そのとき、ふと小さな赤いものが見えた。さらに近づいてみると、それが他にいくつもあった。
見つけた瞬間は、頭のなかが(……?) となった。あまりに理解不能な形と色だったから。白っぽいボディで、てっぺんだけがまっ赤。
それで、最初に思い浮かんだのが(サンゴ礁?)という、じつにバカな感想だった。ちょうど境内の駐車場に停めていた車にカメラがあったので、それを持ってきて撮ってみた。
気にはなったものの、すぐには調べる時間がとれなかった。少したってからあれこれ調べてみたところ、一番近いのは「アカミゴケ」じゃないか、という結論にいたったのである。
奇妙な植物はまだまだいるのかも……
だからどうしたというわけでもないのだが、山から海からずいぶんと自然のなかへ出かけてきたし、いろいろなものを見て、さまざまな経験もしてきた。それでも、こうして初めての体験というものはあるものなんだなあと、妙に感心させられた出来事だった。
森羅万象は、奥が深い。